フリービジネスモデル

jimdo

最初にただで大量に顧客を集め、コミュニティを創り出して、そこを市場と定め、新たな有料サービスを開発し、収益機会に結びつける。

フリーミアム(フリー+プレミアム)と最近呼ばれるようになったWebには昔からよくあるビジネスモデルですが、その中でも成功している部類の一つ、ドイツで生まれた個人・SOHO向けホームページ作成サービスのJimdoの創業者たちに京都で会ってきた。

3人の中の一人、マーケティングとビジネス開発を担当するマティアスとの会話で印象に残った点をいくつか。

 

もともとはCMSから始まった

 

企業向けに開発したCMSを個人に”貸し出しだ”ところ、そのサイトがブレークして新たなビジネス機会に気付き、Pages to Peopleというビジョン(Pagesは世界中の人々のホームページのこと)が生まれたとのこと。

他にも多くのホームページ作成支援サイトがある中で、Jimdoの特徴はCMSから出発したということで、ユーザーにとっての日々の操作性が基盤にあるということだ。

マイクロソフトのLiveをはじめ、自社資産のサーバーストレージをどうビジネス化するか、もしくはポータルで集まっているユーザーに有償サービスとしてどんなニーズがあるのかというマーケティング発想からスタートしている競合がほとんどなので、Jimdoの技術志向及びCMSの延長線上にあるデザインなどのコンテンツとツールの充実にフォーカスをあてた戦略は、ユーザーが求めることは何のかに結果的に結びつき、よくつぼを得ていると思った。

ストレージとか、ドメインとかは差別化の要素がほとんどないが、操作性は大いにあるからである。

 

サーバーストレージはそれほど使われない

 

Webのフリーモデルで重要なことは、フリー部分にできるだけコストがかからないことは基本中の基本ですが、GyaO!がとん挫したように、多くのOnlineユーザーを抱えることはバックエンドへの大きな投資を必要とすることに直結するため、フリーではそこが難しい部分です。

的を得ているなと感じたのは、個人のホームページにはそれほどのサーバー容量は実際には必要としないというインサイトでした。例えばJimdoフリーには5GBのサーバー容量が付いてきますが、多くのユーザーはその1/10も使っていないと思うので、実際にJimdoが用意している容量は少なくて済むという

 

今後はコマースのサポートを充実させる

 

Onlineショッピングが今後もどんどん成長すると予想できる環境下で、今後の彼らの戦略はコマースサイトのサポートにあるようだ。

楽天でもアマゾンでも、有名なコマースモールでは個々のサイトオーナーはモールに対して売り上げの5%程度のコミッションを支払う義務がある。これが彼らの莫大な利益に結びついているのが実態です。

Jimdoの新しい戦略は、彼らのビジョンにのっとり、個人やSOHOが、コマースを自分たちで立ち上げ、自分たちで宣伝を行う用意があれば、サイトオーナーからは2,000~3,000円程度の月々のJimdo利用料以外1円も手数料をとらない、しかも出品数無制限というサービスモデルのようである。

コマースを利用する消費者たちもどんどマチュアになってきているので、SSLとかVerisign認証がツールとして利用できるのであれば、ググってダイレクトにサイトでショッピングという消費行動はますます一般化するでしょうから、彼らの新しい戦略はあたるかもしれません。

詳細は今晩発表されるらしいです。

 

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