ゲマワット教授の裁定戦略を利用したPR戦略

ゲマワット教授にならってAAA視点にてPR戦略を考えてみた。

グローバライゼーション(AAAではアグリゲーション)とアダプテーションのことはよくある話なので飛ばして、アービトレイジ(裁定=地域間の格差をテコ利用する戦略)の適用可能性がもっとあってよいと思う。

ゲマワット教授の論じるアービトレイジは労働力の安い国で製造して先進国で売るようなオフショア系の色彩強いが、その本質は他社がまだ利用していない、もしくは気づいていない市場の特徴差異を自社のビジネスポートフォリオにうまく活用することにあり、これをPRに置き換えて考えてみれば、多少強引かもしれないが、まだ他の人は知らないけど自分だけは知っているという状況を作り出す作戦が当てはまるのではないだろうか?

皆がすでに知っているような情報は誰も積極的に話したがらないが、自分だけが知っている情報というのはつい話してみたくなるものだ。

大概にしてPR戦略はショットガン方式に近く、とにかく手当たり次第にすべてのメディアに情報をばらまいて多くの量が露出すれば成功といった思い込みが強いと思う。しかし、これでは裁定効果は得られない。

裁定効果を狙うのであれば、最初はごく限られた人たちだけに知ってもらうような仕掛けを考えることが必要で、それがうまくいけば、後は自然に波紋が広がるよう、要所要所で戦術的なPRを展開するだけでよいのではないだろうか?

メディアへの露出は減るかもしれないが、会話の中で話題に上る確率は高まるという期待ができる。

 

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